[食]有機農業に生きる人たちの話

newmoonakiko2006-02-19

京都国際会館で行われた第11回自然農法・EM技術交流会の取材に行ってきました。
この大会のユニークなところは、稲作・畑作・果樹・茶などの農業のプロから、自給菜園や環境活動をしている市民、水資源関係者など、多彩な人たちが集まり、情報交換をするところです。
共通キーワードは土。土の中のよい働きをする微生物を豊かにし、土の本来もっている偉力を十分に発揮させること。それも自然の規範にのっとった方法で、です。これは、農業だけでなく、今私たちが抱えている様々な問題をも解決する糸口になるというわけ。なにしろ、地球は土でできているのですから。さらにその土のお化けが人間ですから。土がよくなれば、地球も人間も元気になれるってわけです。
特に、こうした考え方で農業をしている人たちは、農業が農薬化学肥料に走った時代には変人として扱われていたようですが、今では最先端を走っている農業者!です。最終走者に見えていたのが、実はトップランナーだったという感じ?初代自然農法実践農家はもう高齢化されていますが、その技術と精神のバトンをうけとった60代50代(若手というのかな)が頑張っています。が、和歌山県有田市4000軒のみかん農家のうち、自然農法もしくは有機農法を行っている農家は、10軒に満たないそう。農業基本法が改正されて、消費者の安全安心のためにJAS認定制度がつくられましたが、このハードルが高いばかりに認定をとる意欲を失わせているとも言われています。「酢を葉っぱに撒くと、有機とは認められないんだよ。重曹もだめ」「両方とも人間が食べてるものじゃない?なんで」「なんでだろう?役人の決めることはわからん」「消費者は、有機有機っていうけどさ。変な規制に縛られて大変なんだよ」
というように矛盾をいっぱい抱えているのだろうけれど、なぜか皆さん楽しそうです。参加した人たちも、農の話を聞くと生き返ったような気分になると言います。「土を耕すと、もっと生き返るよ」定年退職して田舎にUターンする人の気持ちが痛いほどわかるのは、私の故郷が東京だからかもしれないな。写真は、この春開校する有機のがっこう「土佐自然塾」のパンフ。55歳から18歳まで、13人が学ぶ予定だそうだ。塾長、山下一穂さんは、元バンドマン。故郷に帰り、有機農業に目覚め、第2の人生を生きる。 http://www.tosa-yuki.com