[本]読み聞かせの会

newmoonakiko2006-12-09

子どもたちに読み聞かせをして、かれこれ20年になるだろうか。始めは、私ひとりが、私の好きな絵本を読んでいた。今では、本好きのお母さん2人がメインだ。彼女たちはボランティアとして、地域の小学校で読み聞かせを行っている。だから、とても読み聞かせが上手。本の選択もしてもらうのだが、なかなか愉快で子どもの心をひきつける本を読んでくれる。大人の私でも、思わず引き込まれる。「もっと、読んで」とせがんでみたくなる。音にして聞く絵本の楽しさは、年齢に関係ないのかもしれない。
大人の音読ブームも、目で見て、声に出す。頭脳の活性化に役立つらしいが、そんな難しいことは言わずとも、ともかく、楽しいことはいいことだ。NHKラジオで、没後90年の夏目漱石の特集をしていた。夏目漱石は、1867年江戸最後の年の生まれ。計算してみると、50歳で亡くなっているのか。この間、高校生を持つお母さんに「こころ」の現代語訳ありませんかと聞かれて、びっくりした。
学校で習う漢字を極端に減らした結果か、まず漢字でつまずく。言葉の意味がわからない。なるほど、現代語訳が必要なのかも。それでも、高校の教科書に夏目漱石はかかせない。国民は等しく漱石に触れているのである。夏目漱石を読めるレベルを下げるな、これ、日本の国文学者の考えかな?いわば、漱石は日本人の教養なのか。文学史の枠を越えて、江戸から明治への転換期を生きた知識人として読むと、その精神史は興味深い。神経衰弱になることも理解できる。家の問題、夫婦関係・・。「ラジカルな問題を抱えていたんだなぁ」と最近この時代の文学を近しく感じている。が、没後90年を期して、もう1度読み返そうとする日本人も少ないと思うが。