白いうた 青いうた

newmoonakiko2007-11-25

「第8回白いうた 青いうたフェステバルin鎌倉」。新実徳英作曲谷川雁作詞の叙情歌「白いうた 青いうた」は、メロディに詩をつけるという変則的なやり方で作られたが、その曲の斬新さ、その詩の現代的な叙情は、たぶんこれから多くの人の心をとらえると思う。鎌倉での演奏会は、この歌をうたうコーラスグループが一同に集まり、新実先生の前で披露するというもの。なんと、2歳から92歳までの3代、いや4代世代の歌声が流れた。もちろん、音楽性というものの差はあるものの、どの世代の声もそれぞれの魅力に富んでいて、感動する。
谷川雁は、「この世への敏感な反応をかくして静かに紅潮している時期は、自分の方から愛とか恋とかのことばは持ちだせません。ベトナム難民、ベルリンの壁、旧満州孤児などの時事問題にある叙情性を表現するのも年少者にはむずかしいことです。それだけにアドレッセンス前期の感情を年長者が歌のかたちできっぱり<代弁>してやる必要があるのです。でないとやたらどなったりだまりこんだり、歌うことのできない心ができてしまう恐れがあります。後略・・」
アベマリアのいのり 城ほろびるひに ましろなはねひらく ゲハナの火はあつい かぜよ むちを(島原より)
100曲作る約束を53曲まで仕上げて、谷川雁氏は亡くなった。表現方法はどうであろうと、きっぱりと代弁してやることができなくなっている大人への遺言といえまいか。