[食]無肥料栽培

newmoonakiko2008-03-12

相模原市で自然農法を行っている佐藤亘市さん。長い間お世話になっている大先輩だが、畑にお邪魔するのは初めてで、ワクワクした。
佐藤さんは、昭和47年頃、建設関係の仕事をしている男性の目にセメントが入り、近くの川の水で目を洗ったところ、両目が失明してしまったという話を聞いた。その原因は畑の消毒薬が川に流れていたためだった。目を失明させるものを口にしていることを知って、食べ物はなんとしても無農薬で作らなければと決心したという。

なぜ、病害虫がでるか?その理由は、土の中に化学肥料を大量に投入した結果と知る。土を汚してはいけない。自然の摂理にそって、あらゆる動植物の生命を尊重する。岡田茂吉の自然農法の理念に心酔し、以後30年。村の長老に「へんな百姓」と呼ばれ、虫の後があると1本100円が相場の大根が5円でしか買い取ってもらえなかったり。素人目には、なにも変わらない大根なので、八百屋では慣行農法と同じ値段で売られていたらしい。

しかし、時代は変わった。長老は、「いいもの作ってるな。苗をわけてくれ」というようになり、昨年の玉ねぎとじゃがいもは、自然食品店「F&F」ですぐに売り切れた。直売所での野菜も評判で、料金箱のなかに若いお母さんから熱いラブレターが入っていることもある。
「こどもたちが、今年も風邪をひかずに元気で過ごせました。おいしい野菜をありがとう」。「出産して遠くのスーパーまで行けません。でも、いつも新鮮な野菜を食べられてうれしい」。78歳の佐藤さんの胸がキュンとなる。

土は耕さず、草は抜かずに刈って土の上に。
ほうれん草、おひたしでご馳走になったが、甘くて土の香りがした。