[本]二宮尊徳

newmoonakiko2009-02-15

一期一会とは、人だけではない。今日も、ああこのためにこの本を手にしたんだと思った。1冊は、内村鑑三著「後世への最大遺物 デンマルク国の話」もう1冊は小澤勝美著「小田原と北村透谷」だ。「後世へ・・」は、なんと2007年で第83刷の名著。いまさらと思われるかもしれない。明治27年箱根芦ノ湖畔で開かれた夏季学校の講演録をまとめたものである。

その中で、内村鑑三は「源氏物語」を酷評し、二宮尊徳の「報徳記」を高く評価している。「報徳記」が読み継がれていくことが願われている。実は、私は「源氏物語」を好きになれずにいて、文学的なセンスがないのではないかと自分で疑っていたのだ。「源氏物語」は女流作家がそれぞれの解釈で口語訳され1000年読み継がれてきた。しかし、そこに思想があるか・思想なき文学を文学の原点としたところに日本文学のあやまりがあると内村は、喝破している。

岩波文庫「報徳記」はすでに絶版。アマゾンで検索すると古書で4000円である。小田原図書館にあるのだろうか?実は、自由民権家の北村透谷も倫理なき資本主義に対して痛烈な批判として二宮尊徳を評価している。今から、100年はとうに超えている話だろう。尊徳と透谷、これも新しい発見だった。

今ようやく真剣に二宮尊徳の精神が活かされようとしているのが、今の小田原である。もちろん、痛烈な批判と改革者としての尊徳である。私は、小田原に尊徳思想が脈々といき続いていることを知って、二宮尊徳に再び出会った。テレビ化されるという話もあるが、誰がシナリオを書くのか?興味は尽きない。