荻窪用水の水路で、蛍を発見した。蛍の生息の条件は、幼虫の餌になる貝がいること、幼虫が蛹(さなぎ)になれる土があること、羽化した成虫が安心して休める草木があることなどで、ただきれいな水やカワニナがあればよいわけではない。乱舞のホタルの川まではいかないが、それでもあちらこちらに見つけることはできる。

あの冷んやりした光は蛍が息をした時に発生するという。雄が雌を呼ぶ合図になる。夜の8時ごろと夜明け前もう一度姿を現すと聞くが、見たことはない。

このほたる田ごとの月とくらべみん  芭蕉

すっときて袖に入りたる蛍かな  杉山杉風

蛍を視覚的にとらえて、じつにわかりやすい。

では、こちらの女流俳人の句。

恋を得て蛍は草に沈みけり  

とほのくは愛のみならず夕蛍 鈴木真砂女

ゆるやかに着てひとと逢う蛍の夜 桂信子

男は視覚、女は記憶。俳句も証明する、佐治先生の生物学的男女の性差説。

男と女なんて、永遠に分かり合えないかもね。