10年間の貸し出しノート

子どもたちがどんな本を読んだか、私は知らない。たくさん読んだ子を誉めたこともないし、まったく本に関心のない子に「本を読みなさい」と言ったこともない。読みたければ読めばいいし、読みたくなければ読まなければいいのだ。何を読んだか知らないのだから、感想を聞くこともない。どう感じても自由。聞いたら、何か言いそうな大人(私)がいる。それが恐かったのだが。

しかし、いつも本はあった。借りるときは、名前と本のタイトルを書く。借りた日と返した日を書く。これだけが、ルール。ほとんど返っているが、ある時、小田原市の図書館に返した子がいて(たぶん、親御さんが間違えたのだろう)、なんだか私がとてもあせったことがあった。

伊豆高原に元児童図書編集者が運営する子どもの図書館があって、そこには児童図書を創る出版社からの寄贈の絵本がたくさんあった。税金で図書館を作るのもいいが、私設でも地区運営でも小さな図書館がたくさんあるといい。残念ながら公文式に通う子どもたちだけの図書館で地域にまでは広げられなかった。1週間、私が教室にいたらそれも可能だったかもしれない。

ともあれ、終了。返していない本は差し上げます。それよりも、来週は38歳になった元生徒と一杯やることに。ちょっと、ふけたんじゃないと言ってやろう。子どもは仲間なんだ、同志なんだと思う。