[食]武造さんの快挙

newmoonakiko2010-03-05

青森の福士武造さんが、第15回全国環境保全型農業推進コンクールの優秀賞に輝いた。先日紹介した忍顕さんと苗字は同じだが、武造さんは、青森県浪岡町の稲作農家。水稲15ha、うち有機JAS認証約5ha。認証はとってないものの、実際は全ての水田が無化学肥料、7〜8割減の低農薬栽培だ。
奥さんと息子夫婦4人で経営している。体調を崩したことから、自然農法を始めたのが、1985年。EMを導入して17年になる。取材に伺った人が、こうして表彰されるのはなによりもうれしい!

武造さんは72歳。研究熱心で次から次にアイディアが沸いてくる。まずは、古代米と秋田こまちのブレンド籾を苗床の段階から一緒に栽培するやり方。オリジナル米「古代こまち」はネットで買え、好評だ。稲と大豆を1年置きに連作する「不耕起V溝乾田直まき方式」。これを可能にしたのが「地下灌漑排水用暗渠装置」。湿田を畑に仕立て直すための水管理の方法だ。地下にパイプを入れるというのだが、当時熱く語ってもらったのだが素人にはわからなかった。この方法は、現代農業11月号に掲載されている。

「秋に水田の水を落とした後、1〜2ヶ月以上経っても、水田の水が抜けないが、 この地下灌漑工法を施工すると落水3週間でトラックも大型コンバインも自在に乗り入れることができる。夏場はまわりが水田でも暗渠を掘らずに畑作ができるようになる」。

農家にはとてもいい方法なのだろうな。クモの巣がキラキラ輝く田んぼが気になって、その当時は土の下の構造には気が回らなかったが、メモだけはとった。下灌漑法の特徴=施工コストが安い。10aで10万円以内。他の地下かん水システム給水装置よりも2倍以上の速度で給水、排水可能。用排水枡の仕切り弁を調節することで、地面より1m下から地面より20cm上まで水位を自由に変えられる。・・・・わからない。

ところで、このコンクールの最優秀賞は農林水産大臣賞、優秀賞は、全国環境保全推進会議会長賞、全国農業協同組合中央会長賞、全国有機農業推進委員会長賞と3団体の名前がつく。武造さんは、金子美登会長から賞を受ける。ちなみに59回になる全国農業コンクールというのもある。いずれは、こちらの農林水産大臣賞に有機農家が選ばれる日も近いだろう。将来は、有機農家しかいなくなるのだから。