[食]コウノトリ米


兵庫県がすすめるコウノトリ野生復帰事業。豊岡市はじめ地元では、コウノトリが再び暮らし続けるように環境創造型農業を行っている。数年前、豊岡市長の話を聞いて、あらゆるものがつながりを持って生きているかを知らされる思いだった。自然再生=地域再生=人間再生の道筋は間違いないことであるが、そのことに気づく人たちはまだ少ない。

昨日、この事業のリーダーである保田茂先生から、こんなメッセージが送られてきた。

卵抱き 桜花高見の コウノトリ

桜の季節に雪が舞う異常な寒さも、ようやく峠を越えたようです。この寒さの中でじっと卵を温め続けてきたコウノトリも、春の光を浴びてほっとしていることでしょう。間近いヒナの誕生を心待ちしながら、コウノトリのペアは巣塔の上から桜の高見を楽しんでいるかのようです。

兵庫県がすすめるコウノトリ野生復帰事業は、地元豊岡市をはじめ、多くの関係者のご協力をいただきながら、着々と成果をあげ、この3年間でヒナが18羽も巣立ちしました。ことしも10羽程度のヒナが巣立つと予想されています。羽を広げると2mもある大型の鳥です。当然、食欲も旺盛です。

これからは、豊岡盆地だけではドジョウやカエルなどのエサの確保は難しいと考えられます。全県的にコウノトリのエサ場を用意してやる必要があるといえるでしょう。そのためには、多様な生き物と共生できる環境創造型農業が全県的に広がることが期待されねばなりません。

さいわい、兵庫県農政環境部では、昨年4月から全県的に環境創造型農業の推進に力を入れていただいており、その成果が期待されています。なかでも、極力農薬を少なくし、残留が国基準の十分の一以下であることが証明された「ひょうご安心ブランド」農産物の栽培面積を平成30年までに1万haに拡大するという、全国に例のない大胆な目標を掲げて取り組んでいただいていることは、特筆すべきことです。この計画が実現すれば、コウノトリの舞う光景が県下に広がることになるでしょう。(中略)
コウノトリの棲める環境は、実は人間もまた安全・健康に暮らせる環境を意味します。コウノトリ野生復帰事業は人間の子どもの野生復帰を目指す事業でもあるわけです。超高齢社会に突入したわが国にあって、健康こそが社会の価値基準にされるべきであり、環境創造型農業はまさにその課題に応える農業といえるでしょう。今日の極めて大切な課題です。万障お繰り合わせの上、多数ご参加下さいますよう慎んでご案内申し上げます。

第18回 地域農政フォーラムのご案内/5月21日(金) 午後1時---4時30分/神戸市勤労会館308号室
         

コウノトリ。小田原のメダカの田んぼに降りておいで。
保田先生の俳句のお返しに
卵孵る空桜色コウノトリ 
どうかな?それにしても、人間の子どもの野生復帰を目指すとは・・。