[環境]堀川まちづくり協議会

堀川は名古屋の中心街を流れる全長16Kmの1級河川。上流の庄内川から取水する形で発祥し、伊勢湾に注ぐ。水深は潮の干満で変化する、川というより運河である。1610年に福島正則名古屋城築城に際して、資材運搬を目的とした水路として掘削したといわれる。昭和30年代までは、魚もたくさんとれたし、泳ぐこともできた美しい川だったらしい。かの河村たかし名古屋市長が、マニフェストにこの名古屋の「母なる川」の再生をあげ、昨年には市民意見を募集し、今年の春には、国や市、市民団体などと合同で「堀川まちづくり協議会」を立ち上げた。

市によると、処理した下水や潮の干満で海の水が入り込み、川の底にヘドロが堆積。1994年から、定期的にヘドロを除去しているが、ヘドロは減るどことか増加しており、水質も改善されていない。市長は、木曽川から水を引く実験の延長を国へ働きかける一方、300億円かけ10年計画でヘドロ除去を行うとしている。

昨日は、さまざまな方法で堀川をきれいにしようと取り組んできた15の市民団体が、「海の日」にちなんで堀川・七里の浜に集まり、堀川浄化のイベント行事を行った。市民団体の代表は、「今日は、みんなでEM団子やEM活性液を流すが、ほんとうは家庭から汚染の原因になるものを流さないことが一番。合成洗剤をやめたり、米のとぎ汁をひとてまかけてEMで発酵させて流すことをして欲しい」と訴えていた。それにつけても、名古屋市長はなかなかの人気だ。サービス精神もたっぷりで、「EMを流そまいか」と掛け声をかけていた。

ところで、川を汚したのは誰だろう?一級河川は、国の所轄だが、汚したのは、どう考えても、名古屋市民だろう。名古屋市民の市民税は軽減されたのに、川は国の税金でというのもね、と思うのだが、面と向かって河村市長には言えなかった。

もしEMで浄化するなら300億円なんてかからない、多く見積もっても600分の1の予算でよいと市長に伝えたというが、利権がからまないから実現はどうだろうか、と市民団体のメンバーのひとりがつぶやいていた。なるほど、そういう見方もあるんだね。

写真は、地元のテレビ局の取材を受ける河村市長。実は、この後、市長の隣に座って直撃インタビューをしたのだけど、あまりにも珍問奇答でどこにも書けない。