太田川

広島市中心部を流れる太田川。生活排水・下水処理水が増えたり、ダムの建設によって流れる水の量が減って、ヘドロが堆積してしまった。多いところでは1メートルも堆積して悪臭が問題となっていたのだが、市民がここでも立ち上がった。「太田川ジャブジャブ大作戦」といって、太田川の支流京橋川でEMを使った河川浄化を始めたのだ。10日に2tのペースでEM活性液を継続的に流し、EMつち団子を半年に1度、2000個ずつ投入した。これまでに活性液82t、EMつち団子約1万個を投入したという。 成果は1年後に現れ「川の中州に堆積していた約10cmのヘドロには藻が繁殖し、その後は完全に分解、砂地が露出した。昔の川の様子を知る人の話では、30年前の様子に近いという。減少したヘドロは数万tにのぼると推測され、ヘドロ除去にかかる費用が約30億円削減されたとみられる」という。

シジミが獲れ始めた太田川を眺めて、私は心底よかったなと思った。原爆で火達磨になった広島の人々が流れていった川が、ヘドロまみれで悪臭がするなんて許しがたいと思ったのだ。鎮魂の川を汚すなと。