[暮らし]ああ、小田原城

小田原駅周辺では、首から名札をかけた背広姿のグループを何組も見かけた。明日から青年会議所全国大会が始まる。それに二の丸広場ではこちらも全国丼サミットだっけ?がある。地域では、区民祭なる運動会がある。のんびり、丼を食する小田原市民は少ないかもしれないが、人出は期待できる。

私は3日間、小田原にいない。こんな楽しそうな日にいないんだから「ご縁がないんですね」という感じだ。写真は、明日のイベントの準備で赤々と火が灯った二の丸広場。ここ毎晩、お城を抜けて帰宅している。お城の整備のために木を切るという小田原城跡植栽計画が明らかになって、26日には市民説明会が開催された。説明会というよりも大討論会となったそうで、私はうれしい。なぜなら、市の説明会で建設的であった試しは少なく、だいたいは意見をいわなきゃよかったと思うことが多いからだ。

市長は、市民団体との面談の後、こんなメッセージを出している。

 私からの説明の骨子は大きく3点。まず、これまで放置状態であったお城の緑については、なんといっても史跡小田原城跡が小田原の魅力の核であることから、史跡としての価値の最大化を基本にこれまで整備構想が練られてきた経過を踏まえ、植栽管理についてもその視点をベースに考えてゆくこと。第2に、史跡であると共に、市民にとっては街なかの貴重な緑地帯であり憩いの空間であることは事実である以上、貴重な緑との共存を目指し、植栽管理の具体的な運用については、専門部会等に市民の代表にも参画して頂き、史跡としての空間整備と、緑との共存を目指していくこと。第3に、直近に予定されている御用米曲輪の整備については、史跡の保全・復元を行う際に、巨樹となっているクスノキなどとの共存を可能な限り目指すべく、その計画策定段階においてしっかり努力をすること、またこれについては、史跡と緑地の共存を図る整備の方法について、文化庁などとも相談をしてゆきたいと考えていること。

もしかしたら、これでは史跡にもならず緑地にもならないという鋭い批判もあるだろうが、今のところは史跡でもあり緑地でもあるという市民感覚は最大限に尊重されるべきだろう。以前、樹木医の知人と城内をまわったが、あってはいけない植栽があるといっていたが、ただ緑があればいいわけではない。土塁の上の木については、歴史家の見解も必要だろう。ある意味、江戸を振り返るほどの文化的成熟はいまだないともいえるから、小田原城も身の置き所がわからないかも。お城の緑を守るというその気持ちで、身近かな公園に木を植えることも考えなくてはね。