COP10国際会議

「いのちの共生を、未来へ」をスローガンにしたCOP10生物多様性条約第十回締約国会議)が終わった。生物多様性を謳いながら、小さな微生物を奪い合う構図、それをお金で売買し、配分を協議する会議。うまくまとめましたという日本の環境大臣。なんか変と思うおばさんが変?環境保護を考えて暮らし方を変えようという一般市民と、遺伝資源利用という環境破壊で利益配分をしている国々って、どう考えても矛盾している。

ブツブツ言いながら、冷たい雨の中、地下鉄日比野から歩く。地下鉄内にはCOP10の広告はたくさん貼ってあるのだが、二又に分かれている肝心要の所に表示がない。どっちに行けばいいのよ。あとで、どっちでも公園に着くことがわかったけど。

まず、国際会議場の前にある白鳥公園で開かれている生物多様性交流フェアの取材だ。白鳥公園の方は、内外の国、企業、大学、生協団体、大きなNPO団体が出展。環境を考えながら開発してますと主張する一流企業が勢ぞろい、私には久保田とか朝日醸造とか酒メーカーが目が惹いてしまったが、花王というのはいかがかな。生物多様性に貢献する洗剤を作っているのと突っ込みをいれたくなる。しかし、雨のためか人はまばら。ただ、小学生たちの見学は雨天決行で、どこでも大歓迎されていた。

会場の一番はしこに陣取っていたのが、NPO地球環境・共生ネットワーク。ここは、EM(有用微生物群)を活用した水環境浄化活動や、農産物の生物層を底辺とする生物多様性の創出と自然環境の蘇生(パンフレットによる)がテーマ。早い話、EM活性液やEM団子で三河湾や伊勢湾を再生させているNOP団体なのだ。事務局のIさんは、名古屋生まれ。名古屋弁丸出しで、名古屋の子どもに解説しているたんだから、それは人気者になれる。ここで、私が一番すごいと思ったのは、自分たちで生態系を復活させた現実を写真で見せていたこと。どこのブーズも一部の生態系にしか関われないが、ここでは全体を復活させる事例を見せてくれたことだ。恐るべし、微生物。生態系は生物でなくては快復できない証だと思う。

この日、EMの開発者・比嘉照夫教授もミニ講演を行ったが、その中で「ひとつの生物に頼らなくては生きていけない人間のありようが間違いだ」と明確に指摘してくれたのは、希望だ。ひとつの生物を食べつくし、次の生物を食べつくし、貪欲に生物を利用しつくした後に人間がいなくなる。政治レベル、国レベルの話になるとただただ腹立たしいばかりだが、地域で採れたものをありがたくいただく。よその土地の微生物資源で作られた薬などいらんよと、またブツブツいいなが次の私のお仕事に。それは、とあるお寺が会場の小さな上映会。このお話は、またね。