お寺で見る・語る

28日の夜は、名城線の「八事日赤」という駅で降りて永照山西光院へ。「−命をいただいて生きる私たちー身近に考える生物多様性」という上映会は、アーユス仏教国際協力仏ネットワークの一員である永照山西光院の若き住職の読経でスタート。

アーユスが支援しているNPO法人メコン・ウオッチを中心にアジア太平洋資料センター(PARC)、アース・ビジョン地球環境映像祭それに国際有機農業映画祭が映像を持ち寄っての上映会だ。実は、この4団体はCOP10交流フェアにブースを出している仲。テントの中で映像を流してはいるが、誰も立ち寄ってはくれず、お寺で上映会は渡りに船。私の関係する国際有機農業映画祭も「オリーブの木があるかぎり」(フランス映画)を持ち込んだ。この映画は、イスラエルの占領下、オリーブの木に存在を託す農民とNPOパレスチナ農業復興委員会(PARC)が有機オリーブをつくり、フェアトレードするドキメンタリィー映画。1昨年、東京での国際有機農業映画祭で上映されて注目された。

アースビジョン地球環境映像祭の宇津さんは、オーストラリア・フィリピン・インド・ベルギー子供向け環境アニメ4本の短編を、NPO法人メコン・ウオッチの木口さんは、自分で撮影した「森を食べる 川を食べる」を流して、東北タイやラオス南部の人々の暮らしが近代化によって危機にあることを紹介した。ふたりとも、30代の女性。しっかりした語り口で、おばさんは感心することしきりで、「彼女たちについていきます」という心境だった。世界から日本を冷静に見ることのできる世代がいることは、心強い。

東京でも、こういうひざつめで映像を見て語り合う場ができたらいいと、私たちの意見は一致した。生物多様性とか循環、はたまた貧困とか環境破壊とか現代がかかえる矛盾を語り合う場として「お寺」はふさわしい。「お寺」という場を開き、人と人がつながる。悪くないのでは。