[暮らし]いのち輝く

明日から始まる谷川晃一展〜南の庭のアトリエより〜の内覧会に行く。公営のギャラリィーの企画展にしては、とても斬新。三鷹市市長の挨拶、三鷹市芸術文化振興財団の理事長は副市長なんだ。ふたりともありきたりの挨拶ではなく、きちんと自分の言葉で話すところはさすが文教都市三鷹だ。谷川さんは、結構緊張していらして、こちらも喉がカラカラになった。でも、森や海で「いのちを輝かせる」ことで、つらい人生も耐えていける。フランスのバカンスの考え方を披露して自分は絵を描くことで「いのちを輝かせてきた」と。1938年生まれ、7歳の時に横浜で敗戦をむかえ、昭和の紆余曲折と平成の震災・津波原発事故で第2の敗戦を見る。どのような人でもどのような状況でも、「いのち」は平等にある。いのちを大切にするのは政治だが、いのちを輝かせるのは芸術なのだろう。見終わったときから何がどうというわけではないが、自分の中にある生命のリズムが動き出したように感じたのは、まさしくアートの力なのだと思う。いのちのリズムの共時性。文明が失ったものが、洪水とともによみがえるのかもしれない。

谷川さんのパートナー、天に還ってもう3年になる宮迫さんに「行くんだよ」と背を押されたような気がする。クロークに宮迫さんからの小さな花束があったのでとなりに小さな林檎をひとつ置いてきた。なかなかのよい取り合わせで一人満足して帰ってきた。宮迫さん、笑ってるだろうな。