微生物での掃除

掃除に微生物を使うと掃除という意識が変わる。今までは、汚れを頑張って取り、トイレなどは、殺菌してばい菌無し・・というのを掃除の目標にしてきたが、そうではなく、EMをばらまいて汚れを分解してもらうためにそのあたりを「菌でまぶす」という掃除になる。木の床を雑巾で拭く。トイレもアルコール入りの除菌の紙をやめてボロ切れで拭く。シンクは噴霧。空間もシュッ。普通の掃除は、やり終えた時がきれいな状態のピークで段々汚れていく。しかし、EMの場合は、それから後になるほどきれいになっていく。殺菌ということとは反対の微生物菌でまぶすので、しあがりが妙にツヤツヤと艶めいていく。帰るとお帰りといわれている感じになる。いのちの空間は、何かありがたさが漂っているように思える。機能別、用途別の掃除用剤が要らない。機能別という考え方と無くなったら買うという消費からの卒業。微生物と仲良くすることは、地産地消、自給自足型というこれからのライフスタイルへの第一歩だ。

こう書くのは、 文化人類学を学び、東横学園女子短期大学女性文化研究所、共立女子大学などで女性学を教え、その後、キャリアカウンセラー、作家活動を行う内野久美子さん。 いのちを大切にするライフスタイルは、日本人ならではの伝統的な感性を呼び起こす。滅びの道を避けていのちの道を選ぶ。見えない微生物と共に生きる。