北国の春

青森に越してきて16日目。ようやく庭の手入れを始める。越して来た時、どの家のまわりも白いラッパ水仙と紫のムスカリ、色とりどりのチューリップが咲きそろっていて、それがなによりもの歓迎のあいさつに感じられた。花というものはいいものである。

紫陽花の新しい芽の下に咲く、鈴蘭。生まれた東京の庭には咲いていたのだが、久しく野に咲く鈴蘭を見たことがなかった。北国の雪をまったく経験したことがないが、春の訪れはこの何倍かのうれしさをもたらすのだろうと思うと、寒さに今から怖気ずく私を励ましてくれているようだ。