[本]いのちのまつりーヌチヌグスージー

newmoonakiko2006-02-10

「ぼうやにいのちをくれた人は誰な〜」「それは・・お父さんとお母さん?」
「そうだね、いのちをくれた人をご先祖さまと言うのだよ」
から始まり、広大無辺ないのちのつながりを描いた絵本。2004年に発売されてから版を重ねている。私は、月に1回子供たちに本の読み聞かせをしているが、この絵本を見せた時の子供の反応が忘れられない。
一口に「いのち」のつながりと言った時、どのくらいの実感をもって私たちは子供に伝えることができるだろうか。もっとも、大人自身がご先祖さまを意識することなど少なくなってしまったし、見えないものを信じるということさえ、滑稽なことと思われている時代だ。
しかし、私を10代さかのぼれば、1024人のご先祖さまがいて、その中のひとりでも欠けたら、私といういのちはここに存在しない。もっともっとさかのぼれば、私の後ろになんと1億人ものいのちが繋がっているのだ。
数学のお得意な方は、こんな計算は朝めし前なのだろうけれど、あらためてその数を言われてみると驚きではないか。しかも、この絵本ではたくさんのたくさんのご先祖さまを描いてくれているのだ!当然、ご先祖さまは画面をはみ出して、そこのページは折りたたみ式になっている。子供たちがその画面を見て、びっくりする。「なるほど」と思う。ご先祖さまという、見えない存在が見えるのだもの。すごいぞ。たくさんのいのちの集合体が、自分なのだ。
ご先祖さまの中の男系をたどることに何の意味があるのかと、この絵本を眺めながら考えるのもいいかもしれない。
「ヌチヌグスージー」とは、沖縄の方言で「いのちのお祝い、いのちのお祭り」のこと。