いのちの恩人・5本指靴下

newmoonakiko2006-03-16

「寒い、寒い」。新宿から乗ったロマンスカーの中で夫は震えて、そう言った。忘れもしない、夏の暑い日、私の恩師の告別式の帰りの出来事だった。それからだ、夫の病が顔を現したのは。
「冷えは万病の元」という。すい臓、肝臓に問題をかかえていた夫は、ことに寒さには敏感だったのだろう。手の先、足の先は、夏でも氷のように冷たかった。どうすれば、冷えから脱出できるか?闘病とはこの冷えとの戦いだったように思う。
その時、知人が紹介してくれたのが愛知県の「ファイブソックス」。ここは、「万病を治す冷え取り健康法」の著者・進藤義晴先生の考え方を基に身体をあたためる製品を扱っているところだった。手書きのパンフレットを読んで、探し物が見つかったような気持ちがした。
血行をよくするためには、足を暖めることが大事で、それも絹、綿、ウールと、重ね履きがいい。特に大事なのは、足首を締め付けないこと。冷えとむくみは一対のもので、夫も足首のゴムが痛く普通の靴下を履くことができなかった。最初に5本指靴下を履き、その上からゆったり目の靴下を履いていく、このスタイルを夫はことのほか好んだ。
藤沢市柔道整復師渡辺栄一さんは、脳との関係で5本指靴下の普及に取り組んでいる。足指の機能を正しくすると、ひざ痛、腰痛、肩こりなど全身の症状に効き、ぼけ防止にもなるという。ただ、渡辺先生は、5本指靴下の指先を切ることを提唱している。5本指靴下は、街の靴下屋さんでも3足1000円なりで買えるほど、普及してきた。果たして、5本指・指先カットソックスが、多くの人に受け入れられるか、楽しみだ。今、この渡辺式5本指靴下の開発に関わっている友人に「できたら、私が試すから」とせっついている。足を動かして身体を暖める、5本指靴下の効用は計り知れない。