[暮らし］沖縄を旅したハサミ

人は、時に自分の馬鹿さかげんを書き残したいという欲望があるのかもしれない。なので、書いておきます。なんて書き出しにすると、本当に恥ずかしいけど。
飛行機には、拳銃、刀は言うに及ばず、ハサミ、ナイフなど、日常生活に使う刃物類の持ち込みはご法度。そんなことは、飛行機にはあまり乗らない私でもわかっております。正確に言うとわかっておりました。
ですから、小荷物検査のお姉さんが、「ナイフやハサミはお持ちではないですか」と聞かれた時、私は胸を張って、一点の曇りなく正々堂々「ありません」と答えたのでございます。だって、持ってきてないもん。ところが、ところが、危険物探査機はなぜか危険を察知したのです。「あけていいですか」「どうぞ」ありました。ペンケースの中に潜んでいたハサミが。
「あなたが沖縄に行ってどうするの？確かにボールペンは必需品だけど」
「別に積極的に行きたいわけではないわよ。家でお昼ねしてたいわ」
まあ、私とハサミが押し問答しても状況はかわりない。ハサミの身柄は、パーサー？にまかせ、私は始末書を書いて機上の人になったのでございます。危険物放棄という手もあったけど、それはハサミに申し訳なくて・・。かくして、この黒いハサミも、沖縄を旅してきたのでございます。帰りはって？帰りは行きよりもっとすごい状況でした。なにせ、那覇空港で返されたハサミが手荷物のバックの中にそのまま入っていたのですから。喉元過ぎれば何とやら。ハサミのことなど、忘れておりました。世の中がもっと物騒になったら、ハサミもろとも私の身柄が拘束されるでしょうね。おお、こわ。