[食]食生活を見直す、お母さん頑張れ!

newmoonakiko2006-04-18

教室が始まる前、ひとりのお母さんがやってきた。彼女は、一見溌剌としたお母さんだ。でも、本当は子育てについてすっかり自信を失っていて、半年前には、大粒の涙を流してその心の内を話してくれた。感情のまま大暴れする子どもをどうしても理解することができないと言うのだ。夫にも責められ、すべての責任は自分の子育てにあり、この子の将来を考えると夜も眠れないというわけである。私が見る限り、気分屋で甘えん坊、年齢のわりには幼いかもしれないが、やんちゃな男の子なのだ。ふたりで、彼の気持ちに沿いながら、やるべきことをやっていこうと励ましあっていたのだ。
「少し落ち着いてきたけど、まだ、本を一人で読めないし、毎日私がうるさく言わないと何もできない」「もういいと言うまで、本を読んであげればいいよ。うるさく言わなくてもいいけど、勉強する時はそばについてあげてもいいよ」でも、お母さんは不服そうに「そんなことしていたら、人に依存する人間になってしまう」と言う。でも、母親だから甘えるし、頼りにするのだ。その証拠に彼は私には依存しない。相手がもういいというまで側についていてあげる方が、いいのだ。それに子どもはまだ8歳なのだし。しかし、訳もなく癇癪を起したら、さっさとその場を離れて、自分で自分の感情を整理させた方がいいよ。と、えらそうにアドバイスする私。
「それより、食生活を見直さない?」と切り出したら、彼女は身を乗り出した。自分は玄米菜食に近い食事なのに子どもの食事は子どもの好みに任せて作っていたと言う。牛乳、お肉が好きで、野菜が嫌い。「食事を作っているのは、あなたなのだから、これをやれるのは、お母さんしかない!」と励ましたら、彼女の顔が輝いた。「ともかくやってみる」「うん、結果を報告してね」
今時のお母さんは、子育てに疲れると心療内科のカウンセラーの前でさめざめと泣き、軽いうつ病の薬を貰うという。私は話を聞いてあげられても、薬を出すことはできない。せめて、何か元気になる種をと思う。今日は、たまたま相手の望んでいる種だったのかもしれない。どんな花を咲かせるか、彼女の工夫次第だ。もしも、その種があわなければ、また別の種を見つければいい。私のポケットにはそんなにたくさんの種はないのだけれどね。

写真の足と本文は関係ありません。でも、ある子が喜んで靴を撮らせてくれました。