[食]恋焦がれたお米

newmoonakiko2006-06-06

自然農法歴60年の福井県田端さんの5分つき米。田端さんは、80歳を超えた今でも現役で稲つくりに励んでいられる。お話を伺いたいと思いつつ、いつも遠くで見ているばかりだった。たとえ、お話できても方言がきつく、よくわからないという噂もあるのだけれど。
しかし、ひょんなことから、田端さんのお嬢さんの美恵さんとお付き合いすることになり、「お父さんのお米を食べたい」とおねだりすることに。こうしたお米は、一般のお米やさんやスーパーには並ばない。長い長いお付き合いの人たちに食べ継がれているのだろう。「じゃ、うちのお米を送ってあげる」。それはそうだ、娘さんのところにはお父さんのお米が届くよな。うれしい!
化学肥料、農薬万能の時代、どうやってそれらを拒否できたのだろう?田端さんと同じように自然農法を貫いた父上を持つ友人は、「貧しさには耐えられたけれど、きちがいと周りの人に言われたのは許せなかった」と子供時代の話をしてくれたことがある。その彼も父の跡を継ぎ、今では自然農法の指導で忙しい。「きちがいと言われないだけ、いい時代になった」という言葉には実感がこもっていた。
めったに食べられないお米だと思うと、若いお母さんたちに食べさせたくなった。教室に来たお母さんたちに分けたら、残りは4合くらいか。今、巷にあふれる「こだわり」とは違う、断固とした生き様が育てたお米なのだ。このお米を瓶に入れてそのままにしておいても、くさることはない。美恵さん、ありがとう。感謝していただきます。