[教育]学ぶ権利を奪うな

newmoonakiko2006-06-27

若いお母さんが深刻な顔で教室に入ってきた。「授業に追いつけないので、お母さんが勉強を教えるか、それができないなら塾にでも行った方がいい」と担任に言われたという。小学校に入ってまだ2ヶ月。学校生活に慣れるかどうかの時点なのに計算ができない、字が書けないが問題になっているのだ。初めての家庭訪問でプロの教師が言う台詞かと疑問に思う。まずは子どもの母親と信頼関係を作り、その上でアドバイスするのが常識ではないか。子どもの能力差は、大人が考える以上に大きなものがある。が、しかし、その先のことは誰もわからないし、それにどの子にも学校で学ぶ権利があるのだ。学力偏重の時代、勉強がわからない子どもの苦しみとその母親の悩みは、想像以上に深くて重い。だからこそ、教師がその心に沿わなくてどうする。それに何より、授業がわからないと言って簡単に子どもを切り捨てる学校とは何か?学びの入り口で教えるのを自ら放棄する教師とは何か?少し飛躍してるかしら。なんてことを考えていたら、別のお母さんが、1冊の本を貸してくれた。「すべての子どもたちのために」という子どもの権利条約をやさしく解説した絵本。その28条にこうある。読んだり書いたりすることを教えてください。わたしたちは、おおきくなったら、したいことがあるのです。そのために力をつけることができるよう、手をかしてください。大人は子どもの成長に知恵をしぼって手を貸してあげればいいのだ。犬の遠吠えだろうけど、そう言い続けたい。