チャコールグレーのウサギくん

newmoonakiko2006-07-13

東京・京橋にあるギャラリィー繭で開かれている宮迫千鶴さんの個展。案内状の愛らしいウサギに最終日会いにいってきた。温厚で獰猛で、しなやかで強靭で。人に媚びず、しかし孤高でもなく。ウサギは、本当に不思議な動物だ。茎のないチューリップが変身してウサギになったという。宮迫さんのウサギは花の化身か。
しかし、いつもながら、天に突き抜けるような鮮やかでピュアな色彩、その明るさが眩しい。大人の天真爛漫さは、ある種の臭みを感じさせるものだが、宮迫さんの絵にはそんなものは一切ない。大人が子どもに返るのではなくて、大人になって完璧な子どもになる。そのためにはすべての呪縛を自ら解き放さなくては。まぁ、そんな難しいことを言わずとも、ただただ可愛い。
秋から宮迫さんの住む伊豆高原に引っ越される画家の中西夏之さんが偶然にもお見えになった。中西さんの工房を設計したのが、私の幼友達のご主人。その友人も一緒だったので、話が弾んだ。友人によれば、中西さんは日本美術界の重鎮。重鎮は当然ながら偏屈。友人のご主人も少し偏屈かな?画家と建築家の四つ相撲で奇跡的に完成した工房とか。「変わり者同士で気があったみたい」と建築家の妻は遠慮がちに言っていた。それはまったく奇跡だ。