白秋の酒

newmoonakiko2006-07-22

北原白秋は近代詩歌の世界では燦然と輝く星であるが、さも充実した時期を小田原で過ごしたことはあまり知られていない。大正7年から15年の8年間、小田原の板橋に居を構え、数々の童謡を作った。生まれ故郷の福岡県柳川市には白秋記念館があり、水郷を生かした白秋祭が盛大に開かれるという。このイベントに招待された知人によれば、「白秋のイメージとは違うイベント」だったそうだが。
一般の人が描く白秋の童謡の故郷は、小田原にあるのかなとも思う。前に海、後ろに山。ひろがる空。さまざまな詩が生まれる舞台装置が確かに今でも感じられる。今日、たまたま友人と訪れた「クラフトえいと」で、限定酒白秋を頂戴した。小田原 白秋好み どうぜ、泣かすなら、「ぴりりと ござれ。酒は地の酒」白秋 とある。なかなか、粋で意味深だ。童謡は、人生の機微を知る大人でなくては作れない。