[暮らし]生ごみで農業再生

newmoonakiko2006-08-26

今日は、早稲田大学国際会議場で開催された第14回生ごみリサイクル交流会2006を取材した。主催は、NPO法人有機農産物普及・堆肥化協会。生ごみの堆肥化から有機農産物普及に軸足が移ったような大会だった。つまり、生ごみを堆肥にして農地に返すことはまったく問題がないが、そこで栽培された農産物をどう消費者にまわしていくか。ここが論議の中心だったように思う。
循環型社会と一口にいうが、俯瞰的に物事を見る人がいないと、すべて絵に描いた餅になる。今回の発表者、加賀市の資源エコロジーリサイクル事業協同組合事務局長の北村さんは、元銀行員。レストランや学校、家庭の生ごみを回収。収集車の中で1次発酵させて、農地に運び2次発酵させる方法で、大規模な堆肥施設が不要。できた野菜は地域のスーパーで販売されて好評だという。生ごみの回収はビジネスにならないという常識を破って、収集運搬事業者4社が手を組んでビジネスチャンスにした。周到な食品リサイクル技術の研究もおおいに参考になる。
もう一人は、高知市土佐町の有機のがっこう「土佐自然塾」塾長の山下一穂さん。こちらは、元ドラマー。30歳頃から、神経症にかかり、試行錯誤の末、生き方としての有機農業に行き着いた人。生産者と消費者が化学肥料や農薬をめぐって安全とか安心とかやりあうのではなく、もっと生命をつなぐという根底で手を結ぼう!と。なるほど、いのちのつなぎ役としてなら生産者と消費者が同じ価値観を共有できるのではないかな。
今までの情感的な生ごみリサイクルから、農業再生を視野に入れたリアルな生ごみリサイクルに進化していて、なんだかワクワクした。小田原でも生ごみリサイクルをしよう!と呼びかけなくては。