[暮らし]怒った時には花を買おう

newmoonakiko2006-09-19

朝は確かに怒っていた。まぁ、私だって、へらへら笑って毎日を送っているわけではない。問題解決せぬまま時間になり、なんと熱海まで新幹線を使う。いつも、問題は突然の出会いがしらに起こる。何か法則でもあるのだろうか。じっくり話しあいたい。話し合いたい相手は、もちろん息子だ。しかし、時間がない。仕事場にあった血圧計で測ったら、血圧113・脈拍数88。「あら、ちょうどいいじゃないの」仕事仲間はそう言って相手にもしてくれない。体が心を裏切ってるよぉ。
さて、一仕事終えて各駅停車で帰る。茨木のり子が歌った根府川の海を眺め、次の早川で降りる。改札口を出ると秋の海の匂いがする。農協の直売所でバラを買う。「向こうに見える山で、つくっているんですよ」と店番をしている女性が教えてくれる。向こうの山かぁ、早川でバラ栽培をしている人がいるんだ。バラ栽培は、この辺りでは平塚市が一大産地。有機栽培をしている浜田農園を取材したことがあったっけ。写真家秋山庄太郎さんが晩年被写体にしていたバラが、この浜田農園産のものだった。それは色といい姿といい、1本でも十分に人を魅了する。日比谷花壇という由緒正しい花やさんの店先に並べられているという。
それに比べてはいけないが、それでもバラはバラだ。初夏のバラに続く、秋のバラ。300円の花束を抱え教室に戻ったら、朝の怒りも消えていた。実際のバラには悪いが、カメラで撮った方がきれい。レンズの向こうのバラに魅惑された写真家がいておかしくない。

根府川の海/ 根府川 東海道の小駅 赤いカンナの咲いている駅 たつぷり栄養のある 大きな花の向こうに いつもまつさおな海がひろがっていた  略 終戦後8年目の詩。カンナの季節が終わったな。