子猫殺し・坂東真砂子

newmoonakiko2006-09-24

18日日経新聞「プロムナード」に掲載された小説家坂東真砂子さんのエッセイが物議を呼んでいる。猫を愛するあまり、不妊手術をすることができず、生まれたきた子猫を殺すことで猫が増えるという現実を回避しているという。ここから、生というもの、いのちというものを考えていきたいというのが筆者の構想だったようだ。しかし、そこを展開する前に日経新聞や動物保護団体に抗議のメールが寄せられ、坂東さんが住むタヒチでも、毎日新聞によれば動物虐待で告発の動きとある。
毎日新聞には坂東さんの弁明が掲載されているのだが、その冒頭に「自分は人とうまくかかわれず、猫を愛することで何とかバランスをとって生きている」とあり、「陰のうと子宮は新たな命を生み出す源だ」と書いている。私はここを読んだがためにこの猫殺しと人間の子殺しが繋がってしまって、まいったのだ。平塚市で起きたえいじ殺人事件、中絶、さらには排卵剤で生まれる子どもの数を減らすための子殺し。子猫どころではない。それを女の業というのか、そんなところにおいこまないで、ほかの回路で説明できるのか。というのが、私の興味である。
私は猫を愛したことがない、ある意味かたわの女なので、子猫殺しというその一点で動物虐待だと叫ぶ立場にない。いいか悪いかなら、悪いに決まっている。坂東真砂子は虚構の中で真実を語ればよかったのだ。エッセイストではないのだから。

我が家のメスうさぎ。半年のつきあいで、夜行性であることがわかった。市販のエサを食べると喉がかわくらしく、水をよく飲む。夜決まった時間に排尿をする。野生のウサギであれば、セックスをして子どもを何匹でも産み、危険でもそれなりのウサギの人生を歩めたろうに。何ゆえ、我が家の檻の中にいるのか。