[食]林檎好きは医者知らず

      
私の敬愛する90歳の女性は、林檎を1つ召し上がるのが日課だ。しみひとつないお肌。とてもきれい。おみ足は多少不便のようだが、現役の女性の色香が失われていない。後ろからついていく、私はまだ50代だ。身の程知らずと言えども、あやかりたい。さて、いよいよ林檎の季節だ。毎日1個食べるぞ。
ところで、70代の女性が、このきれいなお姉さまにこう尋ねた。「私、歯が悪いから、林檎を1つなんて食べられないわ」と。そうしたら、「私も若い頃から歯が悪くて、歯医者にばかり通っていたのよ。お姑さんに悪くて、50前に入れ歯にしちゃった」。ひぇ〜。老化は歯からというではないか。
イギリスの諺にも「リンゴは医者殺し」とあるし、確かに林檎は栄養学的に体にいい。しかし、彼女の若さの秘訣は、「お姑さんに歯医者のことでいやみを言われるぐらいなら、歯なんかいらない!」という負けん気の強さとノー天気というか、楽天的な性格なんだろう。強い女は美しい?恐れ入って言葉もない。
この林檎は、葉とらず林檎。普通は、色を良くするために葉を取るが、光合成によって出来る葉の栄養が実に届かず、姿はよいが栄養分は少なくなる。この話を聞いた時、理解するのにちょっと時間がかかった。葉は大事な器官なんだ。
歯も大事な器官だけどね。

左は、花屋さんで見かけた姫りんご。フラワーアレンジメントの世界で人気者らしい。1個100円。葉とらず林檎も1個100円だ。