[食]パパのカレーライス

newmoonakiko2006-11-02

物書きは、取材の日はあるにしても基本的には、家でする仕事だ。夫も1年の半分以上は、家にいたわけだ。売れっ子ではなかったから、と言っては失礼かしら。夫よ、ごめん。感心したことは、よく家事をし、子どもの世話をしてくれたことだ。一世代の歳の差を感じさせず、男女の役割分担に凝り固まることはなかった。、まず、仕事の前に掃除をする。自分の食べたい物は、自分で作る。皿洗いが好き。庭の掃除が好き。頭だけ使っている仕事なだけに、これらはよい気分転換になったのかもしれない。昭和一桁代の男は、かなり開けた考えを持っていたのかもしれないと思うがどうだろうか。お陰で、私の家事能力はいっこうに進歩せず、夫がいなくなったよりも、主婦が消えたという方が正しい。
その夫の得意料理は、カレーライス。夫よりも一世代前の母が、カレー粉で材料を炒めて、小麦粉でとろみをつけるカレーなら、こちらは、即席カレー粉の時代。それも、銘柄が決まっていて、インドカレーとグリコバーモンドカレーの2種類。それに家にある香辛料をたっぷり入れる。香辛料ったって、しゃれたものではなく、ようするに醤油とかトマトケチャップとかそんなもの。七味唐辛子も入れていたかもしれない。しかし、このカレーは奥深い辛さがあると、本当かどうかは不明だが、子どもたちに大好評。気をよくした夫は、子どもの友達やら自分の飲み仲間が集まると、大鍋一杯のカレーを作って、振舞っていた。父親が亡くなって、何か寂しいか、パパのカレーが食べられなくなったことと言う。元気な時、たくさん作ってもらって、冷凍にしておけばよかった?ただ、あれインドカレーと・・・・なんだけれど。そうそう、彼の名誉のために付け加えておこう。カレーのコツは、材料をよく炒め、アクを取りながら、じっくり煮込むこと。カレーのポイントは押さえていたわけだ。
私の作るカレーは、もちろん、カレールウにもこだわって、添加物の少ないもので煮込む。息子たちは、「おいしいね」とは言うが、完全にお世辞である。夫も恋しいが、それより何倍かカレーが恋しい。明日は、文化の日か。カレーを作ろう。