お米、ミカン、十穀ラーメン

newmoonakiko2006-11-01

今日は、青森の稲作農家・福士さんと和歌山のミカン農家・宮井さんに偶然にもお会いした。もう何年も前になるが取材させていただいたことがある。福士さんは、「あきたこまち」と「古代米」を混ぜて直播するというユニークな方法でおいしいお米を生産している。その他にも、田圃の暗渠を工夫するなど、「農家に説明してもわかってもらえない」奇想天外?な発想で、話題にことかかない。「有機JASだもの。もう少し、価格をあげたら」という声もあるのだが、「アメリカの米が、1俵(60Kg)5000円を切ってるのに日本で高い米なんて作っていたら、農家はつぶれる」と答えていた。そういうものなのかな。主婦にとっては、強い味方だ。
一方、宮井さんは日本でも珍しい有機JASみかんの生産者。脱サラして代々のミカン農家を継いだ。有機JAS認定をとるまでの苦労話は、実におもしろい。書類の書き方、農薬の成分を商社に聞いても、たらいまわしだった話。この時ばかりはサラリーマン体験がものをいったという。そうだろうね。苦労の末に有機JAS を取った後、1回だけ、「ミカンが余ってどうにもならん」とSOSが入ったことがある。でもね、有田に比べたらなんだけれど、小田原はミカンの産地なのよ。有田で余ってるなら小田原だって大変に違いない。と、近所の友人には奨められず、東京の友人に紹介したら、これが大好評で、「こんなミカン、初めて食べた」と喜ばれた。都会の人はいったいどんなミカンを食べているのだろう?と思ったものだ。今年は雨が多く、ミカンは不作。慣行農法のミカンの値段が上がり、宮井さんのミカンとほぼ同じになった。なら、やっぱり有機よね、と今まで見向きもしなかった人たちからの注文があるそう。やっぱり、値段なのか。どうもオーガニックの世界は市場原理の外にあるようだ。まぁ、有機JAS農産物は、全農産物の0.2%にも満たないそうだから、市場をつくることもできないのかも。
福士さんから、お米ではなくてリンゴ、宮井さんからミカン、それぞれ1つずつ、味見にいただく。文句なし。でも、私の今日の最大の買い物は、桜井食品の十穀ラーメン。小麦、発芽玄米、あわ、ひえ、きび、はとむぎ、大麦、小豆、黒米、アマランサス。すべて国内産。油で揚げないノンフライめん。スープは化学調味料なし。北海道産特別栽培小麦粉と雑穀をどうつなぐかが問題だったらしい。普通なら、パサパサめんになるものね。時折り、即席ラーメンが恋しくなる私の、救済ラーメンとして合格。ちなみに165円。雑穀ブームとはいえ、余ってしまったのか。ラーメンになるなんて。ある意味、すばらしい。