[暮らし］パスポートの写真

去年の9月でパスポートが切れた。夫が大好きだったタイに散骨すべく、5年前私はタイへ飛んだ。が、後で聞いたら、タイでは骨を土に返す習慣がないという。某所の土のなっているのだが、郷に入れば郷に従え、川に流せばよかったのか。
今では、タイのお金持ちはお墓を持っているそうだ｡火葬にするのか、土葬にするのか？
白い木綿の袋に遺骨を入れて、土を掘り、そこに置いて土をかけた。木綿の袋も骨も、タイの土になっただろうか。
今回のパスポートは、ICチップが採用されている。厳重に取り扱えという。さらに写真の扱いが変った。今までは、肩から上だったのが、首から上のアップである。そういうアングルに私の顔は耐えられない。パスポートの不正利用、偽造対策だそうだ。入国検査の折りには、顔ではなく、首を見られるという話もある。首のすげかえね。
１０年たって、ますます若くなるはずもないが、見事な二重あご、しわの入り具合、首の老い。苦労したね、としみじみ肩でもたたきたくなる。こんなパスポートの写真を貼り付けなくてはならないのは、テロリストや不法入国者のせいだぁとわめいたら、息子がひとこと。「いや、昔よりも人間らしい顔になったじゃない？」「？？」最近の苦労の種は、あ、あんたなんだからね。もう、まったく！