いのちを頂く

newmoonakiko2007-04-30

タイの写真を整理している。パソコンに保存しただけだから、別に整理ともいえないのだが。興味の向くまま、写真を撮る。記念撮影がないのが、唯一の自慢である。旅といえども、生活感あふれる写真がいい。今回の旅で撮りたくて撮れなかった写真は、舗装道路を歩く水牛である。バスからその姿を見た時、何かの間違いかと思った。水牛を農地に連れて行くのに車で混雑する道路を通らせる。水牛の危機である。もし、撮影できていたら、シュールな1枚になっていただろう。土の上を歩く構造の水牛の足はどのようになっているのか。猫だって犬だって同じ運命に耐えて生き続けているのだから、水牛だって大丈夫か。足揉みしてやらねば。
写真は、ポン郡ノンウェーンソークプラ村での出来事。我々一行のために犠牲になった子豚だ。今の今まで、この子豚を追い回して遊んでいただろう、少年の悲しげな目。ごめんね。
でも、トレーに載った薄切り豚肉しか見たことのない日本の少年に比べたら、その複雑な感情こそ豊かな感性の土壌となるのだろう。隣の大人は、「今日は、宴会だ。さぁ、みんなで食べよう」と言っているように見える。昔は、少年のようにうつむいて黙りこくっていただろうが。その少年も、村の女性たちの手でおいしい豚肉料理になった子豚をほおばっている。まぁ、そういうことなんだよねと思いつつ、大人の私は感謝して頂いた。