秩父羊山公園を歩く

newmoonakiko2007-04-29

今日の天気は文句なし。陰影明暗あれども、まさに「山笑う」。ホテルから歩いて20分、視察現場羊山公園に向かう。羊山公園は眼下に秩父市内が一望できる、小高い丘にある。ことに芝桜の季節には、100万人を越える見物客が訪れるという。1999年、内閣府の事業として竹林を切り開き、13万株の芝桜を植えられたのがスタート。今では、約16,000㎡の敷地に8種類の芝桜35万株。しかし、オープン3年後から、害虫の被害にあい、計画に影がさす。そもそも、なんで芝桜なのかとも思うが。ゴルフ場よりもましか。農薬化学肥料の大量投入は地下水汚染に通ずる。そこで助っ人になったのが、花の街長野県小布施町出身の「日本花の会」元事務局長。EMでの花管理を提案。ご高齢にもかかわらず、自ら公園に通い、疑心暗鬼の職員を説得し、現場の管理者と共に汗を流す。管理の指示は、直接電話で比嘉照夫先生に仰ぐ。EMを使った園芸家などいないのだから。「バンバン、撒きなさい」「そんなことできない」。まぁ、そんなやりとりの後にEMを散布した場所とそうでない場所でのコガネムシの発生数に予想以上の違いを発見。以後、害虫を発生させない場づくりに励む。慎重に誠実に仕事を進め、ようやく多くの人へのお披露目となった。といっても、市の広報に載っているわけでもないし、公園に看板が立てられているわけでもない。でも、そんなこと主張しなくていいのかも。
その芝桜、テレビで見るより、狭く感じるのはテレビの罪だが、テレビでは感じられない芝桜の匂いがはんなりと漂う。緩いスロープを覆う、ピンクの絨毯。小さな子どもが、座り込んで小さな花に手を触れている。一緒に歩いていた樹木医が、「半病気で農薬のかかった花や木を子どもに近づけてはいけないんだよ」と言う。花の名所は、おおかた単一の花の栽培ゆえに、その管理は無理に無理を重ねている。菖蒲園、ばら園、つつじ園・・・。経営を考えると思い切って農薬から別な方法に切り替えることは、甚だ難しいのだろう。いくつかの植物園を取材したが、閉館後に農薬を撒いていることを知って、花を見て気分が悪くなる理由がわかった。もっと、その地域の植生にあった林や森の整備を行えれば最高だけれど。ともかく、植物園、ことに温室の花を救えるなら救ってやりたいものだ。
話しは戻るが、ここ羊山公園の最寄り駅「横瀬」の住民が、沿道に花を植える活動が始まっている。GW中、全国で10番目の人出というが、そこに住む自分たちも花を楽しみ、町おこしをしようという試みである。これは、観光協会や行政の肝いりではない、住民の自主的な取り組みだ。芝桜と共に共同体も甦れ!