ごみおばさん

newmoonakiko2007-05-25

世にはでてはいないが、飯田市に住む小池栄子さんが書いた特注の絵本。その最初の出だしがすごい。主人公ともおばさんの家の近くを流れる川には、野菜くずや棒切れ、空き缶などいっぱい捨てられてまるで「ごみの川」。ある日、小さな子どもが、ごみの川に猫の死体が流れているのを見て、ともあばさんにこう尋ねる。「おばちゃん、いまに人間の赤ちゃんも流れてくるの?」
その言葉に衝撃を受けたともおばさんが、ごみ集めに奔走する姿を描いているのだが、その中で唯一の希望は生ごみを土に返しておいしい野菜を作るという場面だ。密封容器に生ごみを入れてEMボカシを振り掛ける。ごみと出していたものが、最高の有機肥料に変わる。
私の教室でも、月1回5年にもわたってボカシ作りが行われている。もっとも、私はいつも参加できないが。挿絵は、貼り絵で、品よくまとめられている。密封容器の前に座るおばさんの感じが、とてもよくわかる。生ごみを宝もののように扱っている雰囲気が伝わってくる。
さて、30年前の「ごみの川」。法律で縛っても、いまだに不法投棄は後をたたない。時たま、人間も流れてくる。しかし、ともおばさんのように危機を感じた人たちのお陰で、少しは昔よりもきれいな川になってきたように思えるのは、勘違いだろうか。