[暮らし]城下町大使・阿藤快さんの手紙

newmoonakiko2007-06-10

これが、市長に送られた阿藤さんの手紙。回覧板でまわらないので、アップします。ちなみに島田さんというのは、歌手の島田祐子さん。


市長さ〜ん!            阿藤 快

今年の北條五代祭の折に城下町ホールの建設の話を聞きました。
城下町大使になって以来、市民会館が古くなったので新しいホールを
作った方が良いのではと言う話は同じ城下町大使の島田さんも強く希
望していました。
その時はお金が無いので・・・と言って、島田さんも我々もあきらめ
ていました。
「それなのに急にどうしたの?」と思いました。そして「市長さ〜ん!
何だかなと思う時は踏みとどまって保留して考えた方がいいですよ」
 私は役者になる前に、俳優座の舞台部で裏方をやっていました。原田
義雄、市原悦子東野英治郎さん、仲代達矢さん等々の役者さん達と日
本国中のホールを芝居をして回りました。「市長さ〜ん!多目的ホール
は決して無かったですよ」
何故と言えば使いにくいからです。スポーツなら客席が四方にあるホー
ルも可能でしょう、埼玉アリーナがそうです。
 今回の城下町ホールは多機能ホールで「劇場型」は芝居は市長さ〜ん出
来ません。
 まず天井にライトがつれない、袖に大道具等を隠しておける場所が無
いそして奈落も無く決して劇場にはならないと言う事です。「コンサー
ト型」では、音響の問題が市長さ〜んまだ残りますよ!
 島田さんと共に永田音響設計さんにお話をうかがって「どのようなホー
ルも設計段階で判断できる人はいない・・・」等のお話をと言っておられ
ますが「このようなホールだから、多目的で型を変えなければならないか
ら設計段階で判断が出来ないんだと思います!」いわゆる劇場用のホール
を作るのであれば音響の判断は出来ると思います。
「ホールインホール型」にいたっては何の為に必要なのは全く理解出来ま
せん。
「市長さ〜ん、そうなると何の為に、何に使う為に城下町ホールを作るん
ですか?」
 市民会館が古くなって小田原にミュージシャンは芝居は来なくなりまし
た。「市長さ〜ん、新しいホールになったら来ると思ったら大きな間違い
です。新しい芸術文化を創造するホールを作るんですよね!」
 三鷹市では文化に行政が理解があり、劇場とコンサートホールを小ぶり
ながら同じ場所に二つ作っています。それは市民が観劇、音楽を聞くのに
一番いい形だからです。劇場を活用する為に市が企画をする、芝居、コン
サートを市民に提供し、そして他の方々にホールを使用してもらう方法を
取っています。
「市長さ〜ん、どうしても作るんなら使い勝手のいいホールをそして財源
の事も市民にオープンにして欲しいです」
 私はテレビの仕事で「税金の無駄遣い」をしている地方都市に行きます。
この城下町ホールも本当にしっかりした物を作らないと利益を生まなかった
ら、使用料が全く入らなかったら、全部赤字ですよね。
 地方都市でも入場料で運用をと言って計画通り行かず市民から赤字分を取
っています。何も言わずにです。このホール、県企業庁の「地域振興施設等
整備事業」を活用と言っても赤字にかわりありません。市長さ〜ん、このホ
ールを作るのに市民はいくら払うんですか?
「市長さ〜ん、考え直していいホールあわてずに作りましょう。」それが五
十年、百年先の小田原の為ですよ。ここ小田原は北条氏の城下町なんですか
ら本当に市民の事考えましょう。

(原文のまま)