コムスン問題

newmoonakiko2007-06-15

訪問介護事業の大手コムスンの不正請求問題。介護を家族や地域の負担にせず、事業として民間にゆだねたのだが、この計画は、介護保険会計の圧迫で急展開。昨年から、介護報酬の引き下げが国の施策として行われた。取材で知り合った、老人ホームと訪問介護の事業経営者は、「あまりにも、急な舵取りで現場は本当に混乱している」と話していた。倒産するところも出るだろうとも。倒産して誰が困るかと言えば、サービスを受けていた利用者と同時に介護ヘルパーである。
介護は金になる、そんな話があった。もう、誰も介護事業が経済的効果をうむとは思っていない。経営者がいなければ、担い手もいないということになる。しかし、サービスを受けたい人は、増えることはあってもこのままでいけば、減ることはない。ヘルパーは、人件費が安い海外労働者になるのだろう。7年前は、母子家庭の母親が訪問介護の仕事でふたりの子どもを育てることもできたが、今はできない。
コムスンの社長は、介護を食い物にしたのであろうことは許せないが、厚生労働省の見通しの甘さ、現場を無視した方針の転換も、おおいに追及されなければならない。
それにつけても、健康保険も介護保険も使わずに、元気に死なねば。

昨日から読んでいる本。福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」。BSE騒動のとき、「もう牛を食べても安心か」を読んで、分子生物学から見た生命観に目からウロコがぼろぼろと落ちた。それにつけても、この作者の読ませる才能には感服。