[暮らし]とにかく投票を

newmoonakiko2007-07-28

以下は、私が言ったわけではない。ニュースキャスター筑紫哲也が、ニュース23の多事多論で話したそうだ。


この18年間、選挙のたびに投票日直前に私は同じことを言い続けてきました。「とにかく投票に行きましょう」

ほとんどの場合、ニュースキャスターというのは、いかに無力な存在かと思い知る経験でした。29日に投票に行かないで済む口実はいくらでも並べ立てることができます。

夏休みに入ったばかりのこんな日を投票日にするのはおかしい。自分の選挙区を見ても1票を入れたいような魅力的な候補が見当たらない。いや、今のような参議院そのものにどんな意味があるのか。そもそも今の政治や政府には全く期待を持てない。その上、すでに結果の予想がいろいろ出ていて、自分が1票を投じようが投じまいが何も変わらないだろうと。

いちいち、もっともな見方ではありますけれども、少し見方を変えて未来から今を眺めたらどうでしょうか。この国は年金や政治だけではなくて、いろんなことがおかしいと思っている人は多いと思います。それをほったらかして、そのままおかしな方向に進めば、この国はどんどんひどい国になる恐れがあります。

そうなった時に今は選挙権もない、あるいは生まれていない未来の世代は今の有権者の世代に向かって聞くでしょう。「どうしてこんなひどい国を私たちに手渡すのか。そうならないようにあなたたちはどんな努力と行動をしたのか」。投票所に足を運ぶという行動すらしないとしたら、それにどう答えたらいいのでしょう。

アメリカ大陸の先住民の長老たちは未だ見ぬ世代のために何を残そう、それを考えることが今を生きるものの務めだと説いていたそうです。ニュースキャスターはそんな大それたことは言いませんけれども、投票ぐらいしましょうよと性懲りもなく今回も申し上げます。

戦後の経済発展の中で、日本人は惰眠を貪っていたのではないかと思う。何を隠そう、私も。生まれていない世代からではなく、すでに子どもたちの世代から「あなたたちはどんな努力と行動をしたのか」と厳しく問われている。昔、学生運動をしたとか、そういう話ではない。今の現実にどう向き合うか、問われるのは、現在進行形の生き様なのであろう。今日、ある講演会で、日本人の20代から40代の死亡率が、病気よりも自殺が多いと知った。医学の進歩で、たくさんの命が救われているのに、なぜ自ら死を選ばなくてはならないか。彼らは、戦争から生き延びた世代の孫たちだ。これを我々の世代への抗議ととらえないで、どうする。いのちを当たり前にバトンタッチできる国にするためには、ともかくあらゆる機会を通して硬直した社会のしくみを変えなくてはならない。さまざまな問題が噴出している時に選挙とは、ラッキーではないか。まず、1票で政治の世界を大掃除だ。

写真は、小田急ロマンスカー内での昼食。メキシコ産オーガニックコーヒーとプチサンド(これ、好き)。ロマンスカー誕生50年。来年は、東京メトロ千代田線に乗り入れするんだって。