[食]車がトウモロコシを食う

newmoonakiko2007-08-03

世界で車を持っている人は、約8億人。持っていない〔貧困層〕人の数は約20億なんだそうだ。貧困層のひとりの私は、車を持っていない。経済の問題はさておき、免許を取ることに頑固に反対した夫の存在も大きい。夫が亡くなって、これで免許が取れるぞ!と心踊ったこともあったが、仕事に追われてタイミングを逸した。よくよく考えれば、車はそれほど必要でもない。判断力低下、運動能力なし、しかも放浪癖がある。事故でもなければ、家に帰ってこれなかったかもしれない。そのために胸を張って、自動車なしのエコ生活者と言える数少ない立場にある。
さて、NYの原油が最高値を更新したそうだが、ガソリンスタンドに縁のない私は、あまりピンとこない。ところが、原油高騰の陰に穀物を使ってのバイオ燃料化が進んでいる。ことにトウモロコシのエタノール化が著しいという。アメリカで今、稼動しているエタノール工場の生産能力は、年間61億ガロンで、現在も建設中。来年末までに倍の生産量を見込んでいるという。となると、原材料であるトウモロコシの30パーセントは、車の食糧に提供される。
1台の車の25ガロンのガソリンタンクをバイオ燃料で1回満タンにするには、1人の人間を1年間養うのに十分な穀物が必要なんだそうだ。しかも、アメリカの穀物収穫量のすべてを自動車用のエタノールに変換しても、その量は全体の16パーセントに過ぎないという。食糧ではないということで、遺伝子組み換え、化学肥料農薬を使い、その果ては、土地の砂漠化。農地が農地として使えなくなる。農家は、土地を失い、アメリカは食糧を海外に完全に依存することになる。
だが、車用食糧には補助金がでるため、人間用食糧としての生産地は減少。当然、食べ物としての穀類が上昇。トウモロコシは、日本人にとっては、主食ではないので、あまりピンとこないが、トウモロコシの値段は日本人の冷蔵庫の中の食品の価格に影響する。鶏、牛、豚の飼料は、すべてアメリカからの輸入だ。家畜のエサも問題だが、貧しい国は、国民を養う穀類を輸入できない。バイオ燃料にして、何かいいことあるのだろうか。
車なしの社会など考えられないし、車を保有していない私だって車社会の恩恵をたくさんもらっている。ハイブリットカーに転換すれば、石油の消費量を半分にすることができるというが、こちらの方が真っ当な方法ではないかと思うのだけれど。

写真は、先日友人から頂いた野菜。今日も、別の友人から枝豆ときゅうりを頂戴する。私の周辺の食糧自給率は極めて高い。