菜の花うつわの夜

newmoonakiko2007-08-18

和菓子やの菜の花店主高橋台一さん還暦の自作器展オープニングパーティ。ギャラリィーを開きながら、目利きになった高橋さんの陶芸展である。高橋さんの師匠は、和歌山天野村在住の陶芸家・森岡成好さん。森岡さんと高橋さんの二人展となる。この夜は、新鋭気鋭重鎮の陶芸家が集まり、還暦の陶芸作家高橋さんの誕生を祝った。
日本における陶芸は衰退をたどるばかりだが、一方では、市民の生活の中に自分の好みの器を選ぶ目は育ってきた。評論家よりも自分の美意識を信じる人々が増えたのであろう。陶芸家も、芸術の狭い空間から開放されて、なおかつ、単なる商品としてではない、作品を世に出している。まぁ、これも、難しいのだが。陶芸で食えるかといえば、食えないであろう。
今日集まった陶芸家たちは、アジアの陶芸家を支援したり、アメリカで陶芸の指導にあたっている。「日本の陶芸に興味を抱くアメリカ人でも、表と裏が分からない」「原爆3000度、窯の1200度。その焼け方の違いを陶芸家は、肌でわかる」という話を酒を飲みながら聞く。自由人たる芸術家の話は、汲めど尽きない。