街の品格

newmoonakiko2007-10-13

神静民報というローカル紙に「駅前の活性化のためには、多少の変形ホールでも、ポートピア(競艇場外売り場)でも、なんでももってくるべきだ」という商連、駅前自治会の意見が記事になっていた。金になるなら、なんでもいい、早く言えば、「ばくちの街」でもいいという主張だ。すべての商人の意見とはとうてい思えない。思いたくない。
今日は、長野県小布施町の町長、市村良三さんの講演だった。小布施町は、人口1万2千人。住民と行政が一体となった美しい町づくりを行っていて、全国から視察者が絶えない。小布施は、花による町づくりでも有名で、川勝平太著「ガーデニングによる町づくり」の中でも紹介されている。西には同じような発想の長崎県森山町があり、私は、そちらを取材した。小布施町森山町も、「なつかしい、ほっとする、やすらぐ、いやされる」をコンセプトに、町づくりを行ってきた。住民にアンケートをとったり、住民の直接参加の手法も似ている。森山町は、残念ながら、諫早市と合併となってしまい、きらりと光っていた町づくりは難しくなったようだ。
町づくりのすべてが網羅された講演だったが、特に印象に残ったのは、観光と交流の違い、これからは、観光ではなく人が交流できる町が、望まれているということ。交流は、人と自然、人と人でもあろう。地場のおしいいものでもてなし、花で目を楽しませ、山や海を眺めながら地域の文化にふれていただく。そうした基盤をつくる。たくさんのお金が地域に落とされないかもしれない。しかし、まずは市民が気持ちよく暮らすことができる。これがなくて人を招くことはできない。田舎と都会が結婚するとこういう素敵な町になる、そんな小田原ができる。そうできれば、全国一の交流都市になれるのではないか。そもそも宿場町とはそういうものであったのだろう。それは、「ばくちの街」とは対極になるものだ。と、思いませんか。

写真は、小布施町町長の市村さん。59歳。大学卒業後、3年間ソニーに勤務して、故郷に帰る。栗の和菓子メーカーの職を経て、町長に。奥様は、和菓子屋さんだそう。ところで小布施町森山町には、EMを使ってガーデニングをしている住民がたくさんいる。市村さんの栗林の土壌改良にもEMが使われて、今では、消毒なしで、とてもよい栗が実っているそうだ。ぜひ、1度お尋ねしたいものだ。