[食]ライスショック

newmoonakiko2007-10-16

2回にわたるNHKスペシャルのライスショック。1回目は、見ることが出来なかったが、昨夜はじっくりと見た。見ながら、ひとりの農民を思い浮かべて、胸がつまった。佐渡島の山間地域で、稲作、葡萄栽培を行う。獣医の免許を持ってはいるが、実家の農業を継いだ。先祖代々が、少しづつ棚田を作ってきたのだろう。そこは、機械も入れない田んぼだ。しかし、農薬化学肥料も用いず、実においしいお米を作っている。都会の人と直接取引きしているとはいえ、狭い耕地面積では収量もあげられない。葡萄に切り替えてはいても、両親、妻、子どもをどうやって養えるか。とりたたてて暗い表情ではないのだが、その肩にかかる重荷をひしひしと感じた。彼は、ここでも、農業をしている人間がいるんだと叫びたい気持ちだろう。
経済効率が悪いからといって、自国で自給できる米をなぜ他の国に頼る道を選ぶのか?企業によるグローバル化は、けっして人を幸福にするシステムじゃない。貧困と不正に歯止めをかけなくては。糖尿病のような顔つきの経済学者、農業は脳業という米販売会社の品性の感じられない社長、金貸しに堕落し、あたかもその辺の借金取りと同じ農協職員、男たちの顔に結論が出ている。彼らも、被害者といえなくもないが。やれやれ、この心の廃頽の方がよほどショックだ。なによりも、農業の企業化で、村そのものが壊れていくのが、目に見えている。といっても、、誰にどうやって、糾弾すればよいのか?

18年度産を古米と呼ぶには忍びないが、明日届く新米が楽しみ。価格はフェアトレードで。