食品不安 安全と安心の境界

newmoonakiko2007-10-29

食をめぐる本は、たくさん出ているが、この本の著者・橋本直樹は、東大農学部農化学科卒業後、キリンビールの常務をつとめた農学博士。農薬が、戦後の食料増産に果たした役割、現在では、危険な農薬はほとんどなく、動物実験をしてすべて安全を認められたものであるから、消費者も農薬や添加物は危険だ危険だといわずに、科学的に考えるべきだという主張だ。一生食べ続けても大丈夫な量ったって、この場合、人間の個別性は吟味されていない。科学的とは、データではないのだ。現象を見る、客観的に考察する、これが科学的な態度であろう。(影の声:大学の先生にそんなこと言ってどうする?)食べている人間の体や心が病んできたのはなぜか?体をつくるのは食べ物である。食べ物がおかしいと考えるのは当然ではないか。
そんなに安心できないなら、自分で材料を買って食事を作りなさいだって。さすが、企業の論理。その原材料が、おかしなことになっているから、困っているんですよ。買ってきた出来合いのおかずも、家で作るのも、たいして違わなくなってしまった。なら、簡単で余らないデリカを買います。
しかし、とてもいい試算をしてくれてはいる。もし、日本のお米をすべて無農薬の有機農業でおこなうと、収穫量で3割減、年間1兆円の被害となるそうだ。(日本植物防疫協会調べ)3割減とは、まさにいい数字ではないか。米余りが解決する。あらゆる民間の有機農法を試みる。1兆円は、環境保護政策として直接農家に支払う。農政の補助金となるとWTOの高い関税と同等に考えられるそうだ。なんか、WTOってみんなを幸福にしないシステムだな。労働力は、市民しかないか。有機農業の知恵はあっても、体が動かない高齢の農家が多いのかもしれないし。ここのところは、わからない。現在、農薬化学肥料どちらも使用していない有機栽培農家は1万戸、農地にして5000ヘクタール、販売農家の0.5パーセントに過ぎない。(2000年農林業センサス調査)生産量は、全農産物の0.15パーセント。現在、有機と名乗れるのは、JAS認定農産物だけだが、その周辺の農家を含めたら、、1パーセントか。EU諸国では、全農家の5パーセントが有機農業を実施しているのに比べて、少なすぎる。なのに昨年できた有機農業推進法では、全農産物の50パーセントを有機農産物にすると言っている。これ、本気?
いずれにせよ、市民が、価格は2倍でも国内産の有機農産物を支持するか、しないか。これが、確かに問題だ。ただ、40パーセントの主婦は、支持すると答えている。希望がないわけではない。

有機JASマークは、太陽と雲と、植物をイメージしているそう。
関係ないけれど、小池百合子よ、祝杯だ!