[食]小田原の魚市場

newmoonakiko2008-02-02

これは昨日の話。朝寝坊の私が、5時に起きて見学した小田原魚市場。小田原の魚といえば、アジとブリだ。私の子供のころ、まぁ、おおざっぱに50年前の小田原は、豊漁に沸いていた。ブリ御殿があったともいう。営林局勤めの父は、晩年は某木製品工場勤めとなり、東京から小田原へ通勤していた。小田原中(現小田原高校)を卒業していた父は、片道2時間近くかかるにもかかわらず、毎日往復していたことになる。今なら、小田原に住まいを移ることも考えたのだろうにその時はそんな話もでなかった。母や私たち子供の楽しみは、父が持ち帰るブリ。威風堂々たるブリを1本まるごと手にした父。魚市場に同級生がいたのだという。「余ったから、もってけ」と言えるよき時代だったのだろう。

さて、相模湾の魚事情はどうだろうか?漁獲高の資料を見るまでもなく、お話にならないほどの減少していることは間違いない。どうして?某市の市長が、漁業組合と農林組合と商工会の人たちと一緒に街づくりについて懇談会を設けたところ、土と海の汚染は繋がっていることにそれぞれが気づいた。そこから、産官民そろっての街おこしが始まったという。まず、海に流れ込む川沿いの住民が、川の汚染をくいとめるために合成洗剤を使わない、川にごみを棄てない暮らしを始めた。それぞれの産業を越えて、俯瞰的に見ることがいかに大事か。第1次産業をどう守っていくか。このことに住民が気づかなくては。

現在の小田原の地場産の魚は数えるほどしかない。小田原の人間が、小田原にあがった魚を食べることはめったにない。魚のすめない海を眺めているばかりだが、それでもそこそこ市場の体裁は保たれている。今こそ、人間のためではなく魚のための海岸線整備をしなくては。