[食]ハウスで有機農業

newmoonakiko2008-02-06

今日も忙しかった。みぞれの鎌倉で取材だ。小泉農園は、藤沢市横浜市に隣接する城廻にある。代々農家を営む小泉章さんは、農業暦20年の40歳。十分に若い。もっと若い頃、喘息やアトピーに苦しんだ。とくに農薬を撒くと体調は最悪になった。たまたま、知人からEMを教えてもらい、自分で試行錯誤しながら使っていたそうだが、本格的に導入したのはここ10年。自然農法の考え方を学び、土作りに力を入れた。

苗が植わっていないハウスの土を初めて見た。水田のようにEM活性液を入れてその上にボカシを撒き、トラクターで浅く耕す。この方法で土から発生する病気は極端に減った。苗つくりに少量の化成肥料を使うだけで、いっさいの化学肥料は用いていないという。トマトは、2本仕立てで5段まで実がなる。味のよさが評判で地元の紀伊国屋で販売されている。昨年は、きゅうりが成って成って困ったそうだ。余ったきゅうりは、畑に戻された。近所の小学校の生ゴミを回収してボカシにまぜて、有機堆肥にしている。「有機肥料も海外から輸入している。生ゴミはゴミじゃなくて、土の栄養だ。棄てるなんてもったいない」。

順調な発展ぶりだが、ハウスに欠かせない重油は、ここ10年で2倍になった。路地ものよりも早く市場に出ることで高値を維持するのがハウス栽培の売りである。重油の値上がりは死活問題。この危機にきゅうりの定植は、20日ばかり遅らすつもりだという。ちなみに鎌倉市有機農業を営む農家は、小泉さんともう一人。こちらはすでに70歳を超えた大家。農家の自然観を如実に現すのがハウス栽培だという。小泉さん、ハウスの屋根を取ってもいいかも。