[食]根府川のみかん

AFEC(アジア農民交流センター)の年次総会を小田原で開催するという。即、根府川の「離れやど星ケ山」を紹介した。紹介するには、1度足を運んでおかなくてはと思い、行ってきた。http://www.hosigayama.com/

町に2台しかないタクシーの1台に乗る。「どう、もうかってる」「わかんねぇ」。「ヒルトンのお客はどう?」「バスに乗っていくから関係ない」。このおじさん、元みかん農家かな?この根府川のみかん山に雇用保険を財源にした「スパウザ小田原」が、姿を現したのは、1997年のこと。総工費なんと455億円、市民も仰天の豪華リゾート施設だった。それからたった5年で、赤字経営の施設は売りに出され、小田原市が8億5000万円で買うのだ。現在はヒルトン社と委託運営協定を結び、施設は小田原ヒルトン(株)が運営している。

小田原市が高い買い物をしたのか、どうかも問題だが、根府川というみかんの生産地が、オレンジやレモンの輸入自由化を受け入れ、農地を転作する、まさに国のみかん農地減反政策に歩調をあわせて、この勤労者リフレッシュ施設計画が浮上した点だ。農地を転作するべきか、農地を売却するべきか、みかん農家の苦悩を人づてに聞いた。

国にとっては、一石二鳥の方策だったのかもしれないが、根府川の農民には何もよいことはなかった。「離れやど星ケ山」は、「スパウザ小田原」の下にある。たぶん、自分の力で自分らしい営みをしたいという数少ないみかん農家だったのだろう。輸入自由化の痛みに耐えて、今でも懸命にみかんを作り続ける人々。根府川の甘夏、機会があれば、ぜひ食べて下さい。


AFEC(アジア農民交流センター)↓

http://afec.hp.infoseek.co.jp/aboutAFEC.htm