かまぼこ板も輸入材

newmoonakiko2008-07-22

民主党菅直人議員が、林業の話をしていた。その中で、ドイツの「黒い森」からかまぼこ板ができると言っていた。ほう、ドイツのかまぼこ板か。

かまぼこ板は通称”空板”(からいた)といって、安土桃山時代かららしい。作るときに形を整えやすい。持ち運びに便利といった理由のほかに木が余分な水分を吸い取るので、雑菌が繁殖しにくいという利点がある。先人の知恵は素晴らしい。

全国の蒲鉾板の40%を生産しているのは静岡県島田市で島田空板工業組合というのがある。問題は蒲鉾板用材はほとんどが輸入材木。国内産は供給不安定と品質の不安定とが重なり、しかも高価だというのがその理由だ。北米産のモミ(ホワイトファー)も安く安定供給できるので、かまぼこ板の多くはこれらしい。

日本は海に囲まれ、国土の6割は森だ。小田原も海が森があるから、かまぼこという地場の産業が生まれたのだ。今、小田原にあるのは、かまぼこを製造する技術だけ。干物も、箱根細工をはじめとする木工品も同じである。第一次産業が弱体化すると、地場産業が当たり前ながら空洞化する。話はそれだけではなく、小田原にあっても大地に生きているという感覚がなくなっている。どうにか、しなくちゃ。経済の問題ではなく、生存の問題なのだ。

路地を歩くと梅干しにつきあたる。小田原市では「十郎梅」をブランドにする計画らしいが、その話とは別に小田原市民は梅干を自給しましょ。