リンゴの気持ち
郵便局会社は5日、「ふるさと小包」のリンゴ果汁偽装問題で「りんご酢」「りんごジュース」関係商品の一部の取り扱いを中止した。
取り扱い中止としたのは、平成20年度春夏号全国版のカタログ販売で扱う(青森県果工が販売元)「あおもりアップル」(3,360円)と「バーモントリンゴ酢」(3,570円)。輸入果汁使用を「県産リンゴ果汁使用」と偽っていた。
青森県といえば、三村伸吾県知事みずから地元産の農産物をアッピールしていたっけ。これは痛手だろう。この温暖化で、収穫が早まるだけではなく、リンゴが日焼けして赤くならずに黒ずむという、たいへんなダメージをうけているという話をきいたばかり。
だからといって、リンゴが不足しているわけではない。私が取材した小規模のりんご農家は、化学肥料を使わずに栽培している。知る人ぞ知る農家。だが、すべてのリンゴを売ることができない。ジュースにしたいのだが、工場のロットが決まっていて、ジュースにもできないと嘆いていた。
地元産がありながら、輸入果汁を使う。地元産は高いから、輸入ものは安いから?「ふるさと小包」が「ふるさと」を裏切る。国や企業が「ふるさと」を持ち出すのは、実にあやしい。家族農家と提携して、互いに支えあう、これしか、農と食を守る方法はない。ひいては、ふるさとも。なんだか、切ないリンゴの気持ちだ。