シャンソン発表会

newmoonakiko2008-09-07

先輩から渡された1枚のチケット。第15回ロワゾゥ ド ラ シャンソン発表会とある。シャンソン歌手岸川壽美子さんの門下生であるIさんの発表会である。実に多彩な方ではあるが、シャンソンを歌うとは知らなかった。しかし、こういう発表会は、聞いている方もドキドキする。 

20歳を過ぎて、自分を見失った時、今思えば人生の一瞬だったのだが、その時「シャンソンを歌いたいな」と思ったことがある。すでにシャンソン歌手を目指していた友人が、簡単に「歌いな」と言ってくれた。ああ、誰でも歌えるんだ。これは、大きな励ましだった。実際は、唄わなかったけれども。

あと7年後には4人に1人が65歳以上となり、本格的な(少子)高齢化社会となる。大人には大人の歌が必要だ。ジャズやシャンソンは、まさに様々な人生経験を経てこその歌だとあらためて思う。14日は、敬老の日だが、あと数年もしたら、みんなが着飾ってシャンソンを歌い、ジャズを奏で、社交ダンスに興じるという光景になるのではないか。あっ、クラシックのコンサートでもいいし、コーラスでもいい。舞台の照明からポスターのデザインまで、なんでも自分たちでできる。祝ってもらうのではなく、自分たちで楽しむのだ。

これから、老人になるのは珍しいことではない。敬ってもらわなくても結構。敬ってもらえるようなことしてない。団塊の世代のみなさん、老人ではなく大人の文化を創ろう!

さて来年、私は舞台で「愛の賛歌」を歌っている。黒のロングドレスだな。貸衣装でいいよね。と勝手にイメージしていたら、隣りのSさんが、妖艶な笑みで、こうささやいた。「やっぱり、ラストワルツは黒のドレスよね」と。人生(恋愛)体験の差は一目瞭然。黒のドレスは、しょうがない譲るか。

誰でも歌えるし、いつでも踊れる。うれしい時も苦しい時も。そして、後期高齢者などというおかしな名称は、謹んでお国に返上する。