マニフェストとは?

newmoonakiko2008-09-08

小田原市長は公約違反という声が意図的に流されている。なぜ、意図的かというと、そもそもマニフェストを正確に理解していたら、こんな論理は成立しないのだから。マニフェストとは、選挙において政策本位で判断してもらうための公約である。このことは周知の事実で、今回の市長選においても、加藤候補のマニフェストが評価されたことは間違いない。

しかし、地方自治体においては、首長と地方議会は役割分担により、その立場はほぼ対等であり、いずれも住民の直接選挙で選ばれていることから現実的には二元代表制となっている。たとえばマニフェストを掲げて当選した首長が掲げる施策と、同じく異なったマニフェストを掲げて議会で最大勢力を得た政党や会派の掲げる政策が相反する場合は、両者ともマニフェストを実行できないことになる。ただし、小田原市で自ら政策を掲げてた議員が何人いるかは不明だが。

マニフェストを作る時点において根拠となる基礎データに誤りがあった場合や、予期されない状況の変化などには、有権者および関係機関に状況を説明し理解を得るといった対応が求められる。 加藤候補も市民も正確な情報を得ていなかった可能性は十分にある。また、首長だから知りえる実態もあるだろう。したがって、マニフェストを変更したからといって、公約違反とはならない。ましてや、暗に公職選挙法違反とまで言及する元候補者はいかが。

もれ伝わるところによれば、市長の政策転換を議会は歓迎しているという。市長はあえて対立よりも協調を選んだのだろう。支援者は、そういう資質を十分に理解しているとまでは言い切れないが、少なくてもチェンジがそう簡単にはいかないだろうことは過去の経験からして理解できるのではないか。気分的には、ちょっと残念だなぁ、でもホールは三の丸でもいいのではという意見も多いのではないか。

しかし、元対立候補者は選挙公約違反として、すきあらば市長を攻撃しようとする。これを権力闘争といわずしてなんといおう。もうそういうのいや!と言って、あえて政治経験のないが「しがらみ」もない候補者を選んだのだ。公約よりも今提出されたたたき台を市民(ここでいう市民とは、加藤派反加藤派というくくりではない、自分の暮らす街をどうにかしたいと思っている意識のある人々)が修正していくことである。

補正予算の大部分は、老朽化した下水道の補修費である。これに市民ホールの耐震診断費用が加わる。行政として今までしなくてはならない根本的なことが後回しになっていたことを市民は知らなくてはならない。これは、若い市長の責任ではない。長年棚上げしてきたことを今すぐに棚卸ししなくてはならない。なんだか、暗澹たる気分で市役所をでたが、外は澄み渡る秋の空だった。希望はそんなに簡単には手に入らない。

写真は、三の丸小学校のバケツで育てたイネ。もうすぐ収穫だね。